お墓参りのとき、手入れのされていない荒れたお墓を見かけることがあります。
誰もお墓参りに来ていないであろう、そんなお墓が、もし自分のお参りしているお墓の隣にあったら、どうしますか?
綺麗にお墓お掃除してお線香でもあげようかと思う反面、お節介かもしれないと考える方もいるかもしれません。
いったい、どちらが正しいのでしょうか?
そこで今回は、隣のお墓とのかかわり方について、さまざまな視点から考えていきたいと思います。
Contents
一般的に隣のお墓には何もしない
結論からお伝えすると、隣のお墓が荒れていても、“何もしない”というのが一般的です。
荒れている隣のお墓を見ると、つい親切心から、綺麗にお墓お掃除をしてお線香をあげたくなる方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的には、しないほうが良いこととされています。
それは、どういった理由からなのでしょうか?
1つずつみていきましょう。
■”お墓は家である”という考え方
昔から、日本では“お墓は故人の家である”という考え方があります。そのため、他人様の家であるお墓に勝手に入り、お墓お掃除やお供え物をすることはよくないとされているようです。
隣人がいきなり家にあがりこんできて、お墓お掃除をはじめたり、食べ物を置いて行ったりしているのと同じだと考えると、確かに、ほめられた行為ではないと納得できるでしょう。
■霊がついてくる?
隣のお墓の世話をすることにより、そのお墓のご先祖様が身内の人間だと勘違いして、霊がついてくるという考え方があります。
また、そのお墓に苦しんでいる霊が存在している場合、よくない方向へ導かれる可能性もあるので、軽い気持ちで無縁仏にかかわるのは、やめておいた方が無難かもしれません。
■宗派によるお参り作法の違い
基本的なお墓参りの作法は、どの宗派も同じです。
しかし、唱える言葉や線香のあげ方など、細かい部分で作法が異なることがあります。
もし、隣のお墓が違う宗派の場合、そのお墓にとって間違った作法でお参りしてしまう可能性があるということです。
そういったことから、宗派が違うお墓参りは“余計なお世話”として受け取られてしまうこともあるようです。
それでも隣のお墓に線香をあげるはアリ?!
そうした一方で、道徳的な意味合いから、やはり荒れ果てたお墓を放っておけないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
とくに、隣のお墓がそのような状態の場合、お墓参りのたびに目にすることになり、気になってしかたないでしょう。
何かできることはないのでしょうか?
■草取りだけする
あまりにも伸びきった雑草をみていると、忍びない気持ちになる方も多いと思います。
また、それを放っておくと、自分のお参りしているお墓のほうにも広がってくるかもしれません。
ここは、自分のお参りしているお墓のためと割り切って、草取りだけするのも一つの方法かもしれません。
■墓地の管理者に相談する
墓地の管理者に、隣のお墓が荒れ果てていることを相談するのも良いかもしれません。
また管理者を経由して、お寺の住職などに、無縁仏の供養をお願いするというやり方も1つの方法です。
しかし、この場合は、住職の方への感謝の気持ちであるお布施を準備するべきでしょう。
■誠意を持って供養する
むやみに無縁仏とかかわらない方が無難と前述しましたが、しっかりと供養の気持ちを持って手を合わせていれば、無縁仏が呪ったりすることはありません。
むしろ、熱心に掃除をし、線香をあげてくれる方には、感謝してくれるのではないでしょうか。
そう考えると、隣のお墓のお世話をすることは、そんなに悪いことではないのかもしれません。
「自分のためにも人のためにも良い行いをする」という、仏教の教えに通ずるものがあるような気もしてきます。
ただし、墓地によっては、無断で他家のお墓お掃除したり、お供えをしたりすることに難色を示す場合があるので、管理者に事前確認を取っておくことがおすすめです。
宗教的な問題と感情的な問題
この、“隣のお墓に線香をあげてもいいのか?”という問題には、宗教的な側面と感情的な側面があり、物事の見方、考え方によって答えは変わってくるのかもしれません。
前述した通り、あくまでも隣のお墓には“何もしない”というのが一般的な対応ではあります。
しかし、「荒れ果てたお墓をどうにかしてあげたい」、「線香をあげて手を合わせたい」という感情が生まれることは決して悪いことではないでしょう。
結論としては、“何もしない”のを正解としながら、お線香をあげるのもまた、間違いではないといったところでしょうか。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、「誰もお参りに来ない荒れたお墓が隣にあったら、どうすれば良いのか?」を調査し、まとめてみました。
明確な答えは出なかったものの、考え方の2面性を理解することができたのではないでしょうか。
今まで、正解が分からずにモヤモヤしながら隣のお墓をお世話していたという方には、これを参考に自分の考え方を整理して、スッキリとした気持ちになっていただきたいと思います。
また、隣のお墓のお世話をしようかとまだ迷っている方には、本記事を、“自分ならどうするのか”のヒントにしていただけると幸いです。
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